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戦時中の踊り子

Last-modified: 2007-10-25 (木) 16:52:01

【 戦場の女神 】

〔舞踏家ライラ・ブリリオート談 884年 ジュノ工房橋にて〕

 

かつて、前線の兵士の荒んだ心を癒す憧れのアイドルとして、また時に戦場で兵士と共に命を張って
戦う身近なヒロインとして、アルタナ連合軍の将兵から絶大な人気を博した者たちがいた。
それが「踊り子」である。華麗な衣裳を身にまとい、矢の雨を物ともせず戦場で舞う踊り子は、
数多の連合軍兵士を勇気づけ、時に戦の女神にもなぞえられたが、反面、敵からは怪しげな呪術を
用いる死神として恐れられたのだった。その神秘の舞、クリークタンツ(武踊)の由来を、ここに紐解こう。

【 トーテンタンツの誘惑 】

〔バストゥークの古詩「死の舞踏」より〕

 

これは、恐ろしい死の病「鎖死病」が、バストゥーク共和国において猛威をふるった時期に
流行った詩の一節である。日々増加の一途をたどる夥しい犠牲者を前に、街には流言飛語と
虚無思想が蔓延。庶民の間では、この詩を大勢で唱和しながら、魔法で動く骸骨と共に街路を
踊り歩く奇怪な行進トーテンタンツ(死の舞踏)が大流行した。

 

当初、共和国政府は病人の隔離対策に追われ、毎夜繰り広げられるトーテンタンツの狂騒を
黙認していた。しかし、この舞踏が前線にまで広がりを見せ、熱狂のあまり職務を放棄する
兵士が出現するに到って事態の深刻さに気づき、矢継ぎ早に禁止令を発したものの後の祭りだった。
半ば暴徒と化して昼間も街路を練り歩きはじめた群集に、ついに時の大統領ヴィルヘルムは
非常事態宣言を発令し、ガルカ兵主体の共和軍団を動員。事態は一触即発の状況にまで発展した。

 

そのとき、この騒動を収拾したのが、偶々グスタベルグの奥地から薬草を届けにきていた
山岳民族の踊り子たちだった。彼女らは自らが罹患する危険も顧みず、街路や兵営を訪問し、
闘技と舞技が一体となった伝統舞踊クリークタンツを披露。その血湧き肉躍る勇壮なリズムと
躍動感あふれる魅惑のダンスは瞬く間に民衆を虜にし、陰鬱な死の舞踏を急速に廃れさせて
いったのだった。数年後、鎖死病克服を宣言した大統領は「病魔を駆逐したのは錬金術師の
功績だが、それを可能としたのは人びとの心から虚無を祓った踊り子である」と言って、
彼女たちの功績を称えたと云う。

 

その後、クリークタンツは舞踊の1流派として市井に根付いたものの、その修行はあまりにも
辛く苛酷であったため、いつしか継承者探しにも苦労する有様となっていった。舞踊の
主流派として返り咲くには、皮肉にもバストゥークが再び国家存亡の危機を迎える
水晶大戦まで待たねばならなかったのである。

【 クリークタンツの完成 】

舞技と武技は似ている。
極められた舞技は、武技の如く鋭く
極められた武技は、舞技の如く麗しい。
けれど、まったく異なる点が1つある。
武技は技の結果としての美であり
舞技は美を目的とした技である点だ。
クリークタンツは、常に美を目的とした
戦いの技であらんと願う。

 

〔アニカ・ブリリオート著
 「武踊のステップ」より〕

 

水晶大戦が始まる頃には、剣舞(シュヴェルトタンツ)、魔踊(ガウクラタンツ)等、
各地のステップを取り入れたクリークタンツは、さらなる進化を遂げていた。踊ることで
仲間の士気を鼓舞するのみならず、自らをトランス状態にして超常の力を得たり、敵兵に
暗示をかけて弱体化したり、といった様々なステップを複合的に組み合わせることができる
総合武踊へと発展していたのである。そのため、戦況が悪化すると、当時のクリークタンツ
正統継承者であったアニカ・ブリリオートとその門下生の下には来演依頼と弟子入り
希望者が殺到した。しかし、いくら金を積まれてもアニカは素質を認めぬ者には決して
教えなかったと云う。

 

一流のエンターテイナーとして、また一流のマーシャルアーティストとして求められる
飽くなき情熱。そして、舞台でも戦場でも物怖じしない鋼の度胸。この双方を備える者のみが、
ダンスに命を捧げる者、すなわち「踊り子」となる資格を与えられたのだった。


戦場の女神「踊り子」 (2007/10/22)より


文章からジョブ取得はバストゥークでアニカ・ブリオートから受けられ、
弱体、踊りの効果UP(?)、支援と攻撃が出来るジョブと推測。(管理人の勝手な想像)